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「帝王賞・交流G1」(27日、大井)
新たな歴史をつくる‐。兵庫県競馬の雄・オオエライジン(牡4歳、橋本忠)が上半期ダート戦線の総決算「帝王賞」で、交流G1に初めて挑戦する。デビューから13戦11勝。昨年は地方競馬のNARグランプリ3歳最優秀牡馬を受賞。JRA勢の厚い壁に2度続けてはね返されはしたが、その悔しさをバネに、経験を新たな血と肉にして確実にパワーアップ。まさにデビュー以来最高の状態。兵庫県競馬所属馬としても初の交流G1制覇を狙う。
夢がかなう瞬間が迫ってきた。確実にパワーアップしているオオエライジンが、初のG1の晴れ舞台でJRA勢の厚い壁をブチ抜く。
小さなころは全体的に弱いところがあり、競走馬になることさえ危ぶまれた。しかし、橋本忠師は「いいものを感じた」と直感。ただひたすら成長するのを待った。「まだ(成長が)100%ではないが、今回はいままでになく攻められた。順調にこれたよ」と状態の良さには胸を張る。前走の兵庫大賞典を制してから1カ月半余。文句なしの態勢をつくり上げた。
19日の最終追い切りは園田競馬場のダートコースで5F63秒5‐48秒5‐36秒0。単走ながら一杯に追われて抜群の反応を示した。「気合を入れてもらったが、直線もしっかり伸びていた」と指揮官は目を細めていた。
デビューから10連勝。その後、実力馬スーニ、セイクリムズンなどを相手に交流重賞で連敗したが「いずれも勝ちに行く競馬をしたし、内容的には十分」と前向きに捉える。師の長男で、担当の橋本厩務員も「(前々走の)佐賀記念はオーバーワークになってしまった。それでもあそこまで(勝ち馬に0秒3差)踏ん張ってくれたし、改めて能力のあることを感じたね」と笑顔を見せる。
前々走後に放牧へ出たのも奏功した。「アップダウンのある施設内を歩かせたりしているうちに、体も一回り大きくなってきた」と同厩務員。久々で仕上がり途上だったとはいえ、前走の503キロはデビュー以来最高の馬体重を計測した。
大井コースは昨年の黒潮盃以来。初遠征&初ナイターも何のその、ゴール前で物見をしながら差し切って、その名を大いにアピールした。「大井へ行ってからグンと良くなってきたし、さらに良くなる可能性も残している。相手は強いけど、強くなるためにはどんどん外へ出て行かないとね」と師は力を込める。
最内(1)番枠を引き当てた。「ここなら内々で脚をためて行ける。ロスなく進んで、あとは直線でどこまで伸びてくれるかだな」と期待を膨らませた。さあ、大一番だ。失うものはない。攻めて攻めて攻めまくる。いまの持てる全ての力を出し切るだけだ。
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