「ヴィクトリアマイル・Ｇ１」（１３日、東京）

　甘やかさない‐。この姿勢を陣営が鮮明に打ち出し、アパパネがハードに仕上げられた。９日、最終追い切りの舞台は美浦北Ｃ。７Ｆで３秒４も先行するサイレントメロディ（５歳オープン）との間合いを、４Ｆ標識で２馬身差に詰めての直線併せだ。

　ラスト１Ｆで蛯名がハミをかけ直し、残り１００メートルで右ムチを放つと一気に加速。３月にマーチＳを制した僚馬をダートコースで子ども扱いにした動きに、Ｇ１５勝馬の貫禄がにじんだ。

　７Ｆ９５秒０‐３８秒２‐１２秒０で３馬身の先着。「掛かるんじゃないかというくらいの気持ちに馬自身、なっている。（出来が）去年より落ちるということはない」と主戦はうなずく。鞍下には汗取りを装着して乗り込まれ、体も確実にシェイプアップ。今回は４９０キロ台半ば（前走５０４キロ）で参戦できる見込みだ。

　国枝師はこの日、現役生活が年内いっぱいの予定であることを発表。最大目標は牝馬Ｇ１完全制覇がかかるエリザベス女王杯だが、その展望を広げる意味でも今回は正念場だ。「ブエナビスタを負かした去年と同じように、直線でファイトしてくれれば」。１年間Ｖから遠ざかってはいても、指揮官は、大一番での勝負強さに期待を寄せた。