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「オークス・G1」(20日、東京)
昨年は桜花賞不出走馬がワンツーを決めた。今年もトライアル組に魅力のある馬がいる。フローラSを圧勝したミッドサマーフェアは、陣営が早くから期待を寄せていた素質馬。オーナーはドバイ首長を務めるシェイク・モハメド殿下で、勝てば国外居住馬主として初のG1制覇となる。一方、スイートピーSを制したダイワズームも3連勝中と勢いは十分。重賞初参戦でも侮れない。
疑いようのない能力、みなぎる自信。フローラSを快勝した素質馬ミッドサマーフェア陣営に“挑戦者”という意識は毛頭ない。「デビュー前から絶賛していた馬なんだ」とは小島良助手。G1初参戦でも、素質なら桜花賞組にも引けを取らない自負がある。
「乗り味は抜群にいい。この馬に乗って褒めない人はいないよ」と語るほど、馬上に伝わる感触は素晴らしい。フローラSの後には小島太師がダービー参戦を冗談交じりに話したという。「人間を含めて、世の流れが“男より女”。ダービーでも足りるんじゃないかという話はしていた」。同助手は当時を振り返りながら、能力に対する絶大な信頼を強調した。
成長曲線もまた非凡だ。すでに今年は5戦を消化。厳しいローテを苦にせず、むしろ糧とした。「以前は周囲に左右されやすい部分があった。でも今は周りがバタバタしても動じないよ」と精神面の安定は顕著。加えて「体もどんどん立派になっている。こういう3歳牝馬は珍しいよね。クラシック戦線は消耗戦になりやすいはずだけど」と疲れ知らずの肉体面にも舌を巻く。
15日朝は堂々たる姿で美浦南Aから坂路を1本駆け上がった。「いいね。落ち着いている。力みがない。距離が延びるんだから、どれだけ力まないかが大事になる」。思わず笑みを浮かべた後、「桜花賞にも出したかったけど、タイプ的にはオークス」と府中2400メートルの克服に自信を見せた。
鞍上も思いは同様だ。前走で初コンビを組んだ蛯名は「最後も遊んでいたくらい」と話す。距離延長を思えばむしろプラスの要素だろう。「体が増えていた(プラス10キロ)のはいいね。あとはG1組との力関係。やってみないと分からないけど、楽しみはある」と関東リーディング首位(13日終了時点で40勝)をひた走る名手も色気をのぞかせた。
オーナーはドバイ首長を務めるシェイク・モハメド殿下。Vなら国外居住者馬主の初G1制覇という点でも注目度は高い。残念ながら本人の来日予定はないとのことだが、10日には代理人が厩舎を来訪。「馬を見てすごく褒めていた」(小島良助手)とお墨付きをもらっている。2年連続で連対中のフローラS組。今年はミッドサマーフェアが一気に頂点を狙う。
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