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「エプソムC・G3」(10日、東京)
日本の誇る超良血馬が、ようやく開花した。1番人気のトーセンレーヴが、3番手から早めに抜け出して待望の重賞初V。飛躍への第一歩を踏み出した。母ビワハイジは5頭目の重賞ウイナーを送り出し、史上初の快挙を達成した。2番人気ダノンシャークは猛追及ばず首差の2着。3着には4角で先頭に立った15番人気マイネルスターリーが粘り込んだ。
素質開花を宣言だ。父ディープインパクト、異父姉にはG1・6勝の名牝ブエナビスタ。周囲の期待を一身に背負い続けたトーセンレーヴが、待望の重賞制覇を成し遂げた。
レースは決してプラン通りではなかった。当初は6、7番手から進める予定も、スタート後に掛かってハナに立とうかという勢い。「でも前に壁をつくることができた。パワフルに見えないからタフな馬場は心配だった。直線は早くゴールがこないかと必死に追ったよ」。この日4勝を挙げ、今年の重賞3勝目と好調なウィリアムズは、残り1Fで先頭に立つ積極策を展開。見事に後続を退けた。
これまで重賞では5戦未勝利。その一方で、重賞以外では5戦5勝。確かな壁をようやく粉砕した。と同時に、5きょうだいによるJRA重賞制覇は史上初の快挙となった。「ダービー(9着)のときより成長しているね。きょうも予定が狂ったのに勝った。能力があるからできたこと」と鞍上も脱帽の底力が、この血統には秘められている。
「ホッとしましたね」と胸をなで下ろしたのは池江師。それでも超良血馬にとって、この日の勝利はスタートに過ぎない。「今は状態がいい。充実期だね。秋に向けてもう1回、重賞を勝ちたい」と大舞台を見据えた。中京記念(7月22日・中京)で賞金を加算し、その後は夏休み。秋は毎日王冠(10月7日・東京)→天皇賞・秋(10月28日・東京)のローテをぼんやりと描く。
上半期を締めくくる宝塚記念(24日・阪神)には、オルフェーヴルをはじめ4頭が出走予定の池江厩舎。タレントがズラリと居並ぶ名門に、大きな駒が加わった。
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