「函館スプリントＳ・Ｇ３」（１７日、函館）

　オープン特別連勝の勢いに乗って、サマースプリントシリーズ開幕戦を制した。松山騎乗の２番人気ドリームバレンチノが、１番人気ロードカナロアの追撃をしのいで、３連勝で重賞初制覇。３着には、最後方から追い込んだ１１番人気のビスカヤが入った。

　鮮やかな３連勝だ。北の港町にさわやかな風が吹き抜けた。好位から直線で早めに抜け出したドリームバレンチノが、圧倒的な人気を集めていたロードカナロアの追撃を封じて、重賞ウイナーの仲間入りを果たした。

　スタートはひと息だったが、この日が函館での初騎乗となった松山は、冷静な判断で愛馬を勝利へと導いた。「道中は焦らずに、外へ出す競馬を心掛けた。４角では仕掛けるのが早いかなと思ったが、ロードカナロアより先に出たいと思っていたので」。内にいる“強敵”を見ながら一気にスパートをかけると、その作戦は見事にはまった。

　松山にとって、ドリームバレンチノは特別な存在だ。「ボクのデビューと同じ年にデビューした馬。新馬戦（３着）に乗せてもらった馬で重賞を勝ててうれしい」と笑みを浮かべる。自身の重賞は３月の中日新聞杯（スマートギア）に続く２勝目となったが、今回の勝利は喜びもひとしおのようだ。

　今後はいったん放牧へ出て、サマースプリントシリーズ第５戦・キーンランドＣ（８月２６日・札幌）を目指す。狙うはシリーズ・チャンピオン。さらに絆を深めたコンビが、夢を膨らませながら夏を突き進む。