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「マーメイドS・G3」(17日、阪神)
重賞を勝つことが宿命だった。豪華な血統に導かれるように、グルヴェイグが母、姉も制した一戦で待望のタイトルを獲得。05年から続いた1番人気の連敗に、2馬身差のVで終止符を打った。ウィリアムズはエプソムC(トーセンレーヴ)に続き2週連続の重賞制覇。なお、2着は重賞初参戦だった藤懸騎乗のクリスマスキャロルで、3着はメルヴェイユドール。格上挑戦で臨んだ人気薄の軽ハンデ馬が好走した。
G1へと続くVロードを良血馬が駆け抜けた。ディープインパクト産駒のグルヴェイグが3連勝で重賞初V。好位で脚をため込むと、4コーナーでは小柄な体で外の馬をはじいて、進路をつくるパワフルな競馬だった。
2週連続重賞Vを決めたウィリアムズは「プレッシャーの多い競馬だったが、リラックスしていたし、強かった」と満足げに振り返る。「クラスの壁なんて感じていなかった。小さい馬のハンデもあるけど、血統だけじゃなくてハートが強い。まだ強くなる」とパートナーを褒めたたえた。
国内屈指の良質な血の持ち主だが、これまでは放牧先から帰厩した日に放牧先へ戻す日を考えていたというほど。右肩に痛みが出てさばきが硬くなることから、使いたい気持ちにブレーキをかけて大事にしてきた。「壊すのが怖くて壊れないように、その手前、手前で休ませてきた」と角居師。充実期を迎えられたのは我慢の結晶でもある。
04年の異父姉アドマイヤグルーヴ以来となる1番人気での勝利。97年に母エアグルーヴも1番人気で制しており“母子&姉妹同一重賞制覇”となった。夏が過ぎれば、大きな目標がある。「きょうだいも、どんどん成長していきましたから。もっと強くなるように夢見ています。秋まで休ませてあげればいいかなと。エリザベス女王杯(11月11日・京都)を目指したい」と師は力を込めた。
宝塚記念には半兄のルーラーシップがスタンバイ。月曜に英国に発ち、金曜に再来日するウィリアムズを背にG1勝利を狙う。「兄にプレッシャーにならないように」とトレーナーは笑う。偉大な父母、兄姉の背を追う華やかな血統馬が、最高の形でバトンをつないだ。
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