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「宝塚記念・G1」(24日、阪神)
期待の素質馬がいよいよ本格化だ。なかなかビッグタイトルに手の届かなかったルーラーシップだが、香港のクイーンエリザベス2世Cで待望のG1制覇を挙げた。5歳を迎えて、心身の成長は著しい。勢いを駆って国内制圧に乗り込む。一方、今年2戦は未勝利の4冠馬オルフェーヴルだが、復権に向けて徐々に本来の動きを取り戻しつつある。
機は熟した。日本が誇る超良血馬ルーラーシップが、上半期を締めくくるグランプリで国内最強の座を狙う。
2度目の海外遠征で歓喜の時は訪れた。国内外合わせて6度目のG1挑戦となった香港のクイーンエリザベス2世Cでラチ沿いから瞬時に抜け出し、2着馬に3馬身3/4の差をつけて圧勝。“支配者の位”の名のごとく、強烈なパフォーマンスでワールドクラスの強豪を撃破し、悲願を達成した。山田助手は「折り合いを気にせずにうまく乗ってくれました」と圧倒劇に驚きの表情で振り返る。
中間は着地検疫を終え、滋賀県のノーザンファームしがらきで休養。5月31日に栗東トレセンに帰厩した。昨年はドバイ遠征(シーマクラシック6着)からの帰国初戦の金鯱賞で勝利を挙げている。「放牧から帰ってきてからもいつもと同じ。大人びた雰囲気になってきている。カイ食いも心配ないですね」。昨年5着に敗れた舞台でのリベンジへ向けて、順調な調整が施される。
最高の流れでバトンがつながれた。先週のマーメイドSは同厩舎で半妹のグルヴェイグが重賞初制覇。格上挑戦ながら、04年の異父姉アドマイヤグルーヴ以来となる1番人気に応えた。97年の母エアグルーヴも勝利しており、“母子&姉妹同一制覇”を達成。その偉業に導いた豪州の名手ウィリアムズが、2週連続でのきょうだい重賞制覇、自身の3週連続重賞Vへ向けて腕をぶす。
英国での騎乗のため、18日にいったん日本を離れた鞍上だが、栗東CWでの1週前追いで感触を確認した。「グルヴェイグは乗りやすい印象があるが、兄妹同じだと思った。目いっぱいやっていないが、感じることはできた。自分の思うように動いてくれる」とファーストコンタクトで絶賛。22日に再来日するが、英国での2つのG1騎乗の依頼を断って日本のグランプリ獲りに挑む。24日が短期免許の最終日となるだけに「最後にでっかいものを残して帰りたい」と意気込みは相当だ。
5歳にして本格化を遂げた超良血馬が、国内制圧の野望を胸に揚々と仁川のターフに乗り込む。
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