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【宝塚記念】オルフェ、確かな復調気配

 調教へ向かう池添とオルフェーヴルを見つめる池江師(左)
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 調教へ向かう池添とオルフェーヴルを見つめる池江師(左)

 「宝塚記念・G1」(24日、阪神)

 ファンの支持に応える復活劇を演じる。東西トレセンで最終追い切りが行われ、オルフェーヴルは20日、池添を背に栗東坂路を駆け上がった。見届けた池江師は正式に参戦を表明。09年に宝塚&有馬記念を制したドリームジャーニーとの春秋グランプリ兄弟Vで、4冠馬が輝きを取り戻す。ルーラーシップはCWで3頭併せを消化。海外でG1初制覇を果たした勢いで国内制圧へと突き進む。なお、トレイルブレイザーは追い切り後に鼻出血を発症し、同レースを回避した。

 復権、そして次なるステージへ。4冠馬にして昨年の年度代表馬オルフェーヴルが、上半期を力強く締めくくる。最終追いは栗東坂路でエアラフォン(5歳オープン)との併せ馬。僚馬をおよそ2馬身先に見据えて追走した。若干もたれるシーンはあったが、反応良くしまいを伸ばして4F52秒5‐38秒6‐12秒5で0秒4先着。かつて見せた迫力には遠い。しかし、本来の“我の強さ”が見られたことに、池添は納得の笑みを浮かべる。

 「行きっぷりが良くて、押さえなきゃいけないぐらい。少し(ハミを)かんでいましたね。前回(天皇賞・春)は妙に折り合っていて、おとなし過ぎたし、そのあたりが違う。状態も良かったときに近づいてきているかな。前回よりも過程に関してはいいので」。春の総決算を前に、確かな復調気配を感じ取った。

 胸をかきむしるような悔しさは今も晴れない。阪神大賞典では世紀の大逸走の末に2着。巻き返しを期した天皇賞・春では見せ場なく11着‐。主戦も2度の敗戦はさすがにズシリとこたえたという。「初めて騎手を辞めようと思いました。もうG1も乗らない方がいいんじゃないかと思うぐらいショックでした」。どん底まで沈み、そして上を向いた。まだまだオルフェは夢の途上にいる。「この馬に乗っていく限り、感じ続けなきゃいけないプレッシャーですからね。(全兄の)ドリームジャーニーもそうだったが、気持ちで走るタイプ。引きずらないでいきたいです。自分もしっかり乗らないと」と表情を引き締めた。

 ファン投票では7万2253票(得票率70・6%)で断然の1位。熱い支持に応えたい。池江師は「1位の重みを感じています。今回、もし2位や3位だったら、早々に“秋に備えて(回避)”と考えていたところでした」と胸の内を明かす。完調には到達していないとはいえ、それを言い訳に逃げる気など毛頭ない。受けて立ち、退けるのみだ。

 「昨年の有馬記念は3冠を獲ったのに、ファン投票では2位だった。それで(発奮材料となって)勝てたところはありますね」。ファンの思いは推進力に変わる。近年でも屈指のレベルを誇る激戦を勝ち抜き、歓喜の雄たけびを上げたい。

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