「宝塚記念・Ｇ１」（２４日、阪神）

　凱旋Ｖこそ逃したが、海外Ｇ１制覇の実力はダテではなかった。２番人気のルーラーシップが意地の銀メダル。スタートで後手を踏んだが、最初の直線で徐々に先行勢に取りついた。向正面では流れに乗って６番手を追走。３角過ぎから進出を開始し、直線では外へ。ウィリアムズの右ステッキに鋭く反応して力強く伸びたが、最後は年度代表馬の底力に屈した。

　「スタートが遅かった分、前に取りつくのに脚を使った。ただ、引っ掛かることなく、思い通りの競馬はできた。４コーナーも内を回るのは嫌だったし、考えていた通りに外へ。スタートが良ければ、もう少し接戦だったかも」と豪州の名手は振り返る。短期免許の最終日、最後の騎乗での２着に悔しさをにじませた一方で「きょうの展開だとオルフェーヴルにはかなわなかった」と素直に勝ち馬をたたえた。

　角居師は「この馬の走りはできていたと思う」とねぎらい、登録のある凱旋門賞参戦については「（きょう）負けていますからね」と明言を避けた。国内専念か、海外挑戦か。さらなる成長を遂げ、次こそ２個目のＧ１タイトルをつかみ取る。