柔道のロンドン五輪代表決定から一夜明けた１４日、女子４８キロ級の福見友子（２６）＝了徳寺学園職＝らが福岡市内で会見した。全日本選抜体重別優勝でライバル浅見八瑠奈（コマツ）を逆転し、五輪切符を手にした福見は、早くもロンドン五輪本番を意識。大会初日（７月２８日）に行われる同階級での金メダル獲得で、チームジャパンのメダルラッシュの“火付け役”となることを誓った。

　２６歳にして初めて五輪切符をつかんだ遅咲きのヒロインの視線は、もう夢舞台を見据えていた。前日の五輪決定後は、テレビ出演などもあり「ほとんど寝てないです。試合の日は興奮して寝れないことが多いので」とやや疲れた表情だったが、「寝れない時間、ずっといろいろ考えていた。柔道のことだったり、ロンドンのことを。一日も無駄にできない、少しリフレッシュをしたら次に向けてスタートしたい」と、表情を引き締めた。

　福見の女子４８キロ級は、大会初日の７月２８日に行われる。日本の金メダル１号が期待され、柔道だけでなく日本選手団全体をいい流れに導く役割がある。

　過去の大会では谷亮子が、その役割を担ってきた。金メダルを獲得したアテネ五輪では、日本全体でも１６個の金メダルを獲得と、“ゴールドラッシュ”に日本中が沸いた。逆に谷が銅メダルに終わった北京五輪では全体でも９個にとどまった。

　最も印象に残っている五輪を「アテネですね。凄（すご）く日本柔道がカッコ良かった」と話す福見が狙うのは、当然アテネの再現だ。「自分はやるべきことをしっかりやって、みんなが後に続いてくれれば」と、キッパリと言い切った。

　「１戦１戦すべてを出し切っていきたい」。チームジャパンの“先鋒（せんぽう）”として、魂の戦いを見せる。