フィギュアにはやはり公正な採点方法を
2014年3月15日
ソトニコアのGOEが14・11点、キム・ヨナは12・20点、コストナーは10・39点だったのに対し、浅田はわずか6・69点。浅田はトリプルアクセルで回転不足を取られず、0・43点の加点をもらったが、続く2連続3回転ジャンプは二つ目が回転不足の判定。3回転ルッツも踏み切り違反と判定された。さらに、その後のダブルアクセル3回転トゥループも回転不足と判定され、ステップシークエンスなどで加点はあったが、GOEはわずか6・69にとどまったのである。
なぜ、浅田のGOEが優勝したソトニコアと7・42点、キム・ヨナとは5・51点、コストナーとも3・70点も離れているのか?さらに、演技構成点の合計もソトニコアは74・41点、キム・ヨナ74・50点、コストナーは73・77点に対し、浅田は69・68点にとどまっている。日本国内のみならず、世界中に感動を生んだ浅田の評価が、これほど低いのか。私は今のところ納得のいく説明を目にはしていない。
ISUは2月21日、ソトニコワが金メダルを獲得した女子の採点でメディアから疑問の声が上がったことに対して「厳正かつ公平な演技の評価に取り組んでいる。ISU採点システムの高い質と整合性に自信を持っている」という声明を発表。さらに、9人のジャッジは13人から抽選で決まり、同じ国から複数は選ばれないこと、極端な採点を防ぐため、最高点と最低点は切り捨てるなどの手順を説明した。
それ以降は動きがなく、今のところ万人が理解できる採点方法への変更はまだ模索されていない。浅田の「ラストダンス」になるかもしれない世界フィギュア選手権が26日から開幕する。だが、金メダリストであるソトニコワ、銀メダルを獲得したキム・ヨナの欠場が決定しており、浅田にとっては本当の意味でのリベンジのチャンスが永久に失われることになるかもしれない。
現状のままでは第2、第3の浅田が生まれるかもしれない。精いっぱい演技する選手たちには罪はない。採点競技であるがゆえの難しさは理解するが、4年後の韓国・平昌での冬季五輪に向けて、ISUには「大きな一歩」を踏み出すことを期待している。
(デイリースポーツ・今野良彦)