女子野球W杯を本物の世界的イベントに
2014年3月8日
サッカー女子W杯が参加16カ国(来年は24カ国)。国内女子サッカー競技人口が推定5万人に迫ると言われている。前述の、参加8カ国、国内競技者2000人弱という数字を考えれば「マイナー」という見方もやむなしだ。
が、軟式野球チーム登録者は硬式の10倍を超え、またそれすら女子が参加できるチームが数少ないことを考えれば、潜在的な人口は相当数いることが伺える。
こうした需要に応える形で、硬式チーム、競技人口は目に見えて増えている。
その結果、過去には代表チームを結成するに当たり、自薦によるトライアウトを行った結果、ソフトボール出身者、軟式野球出身者など、硬式球を触ったことがない選手も参加したが、今回からは登録チームの指導者による推薦という、よりレベルの高い選手によるトライアウト方式に変わった。
さらに昨年、女子野球の日本代表チームは、侍ジャパンの一員に組み込まれ、男子のプロを中心に結成されるトップチーム同様、国際大会ではこれまで以上に「ジャパン」の名前を背負う責任も加わった。
追い風はまだある。関東では2002年からリーグ戦が開催されていたが、昨年から関西でも女子硬式野球リーグが発足。2年目の今年は昨年のA組、B組(大きく分けて、年長、年少)計10チームから、数チーム増える予定で、底辺の加速度的な拡大を感じさせる。
肝心の、プレーはどうか。結論から言えば、国内大会でも上位、例えば準々決勝以上となれば、しっかりした技術を身につけたプレーヤーたちの真剣勝負として、十分に楽しむことができる。ナショナルチームともなれば、なおさらだろう。
トライアウト参加者の遠投は80メートル以上がざらで、投げることに関しては男子高校生並だ。一昨年、カナダ大会のMVPに輝いた磯崎由加里投手の球を受けてみたが、低い球の伸び、出どころの見づらいフォームから繰り出す変化球の軌道や制球が非常に印象的だった。その磯崎すら、今回の“主戦”は約束されていない。
春から開催されるヴィーナスリーグ、夏予定の関西リーグに、代表合宿、高校生大会その他、まずは彼女らのプレーを見て、興味を持ってもらえれば、4連覇のかかる9月の“世界的イベント”はより注目度が高まり、女子野球の隆盛へとつながるはずだ。
(デイリースポーツ・西下 純)