サッカー日本代表のＭＦ本田圭佑（２６）＝ＣＳＫＡモスクワ＝が１６日、千葉県成田市内でサッカー教室を開催した。小雨の中、集まった観客は３千人。４６人の子どもたちとミニゲームなどで約２時間、汗を流した。日本のエースは、子どものころから「世界一」になることを夢見てきたことを明かし、子どもたちに夢を持つことの大切さを主張。夢をノートに記し、目標に向かって成長するよう呼び掛けた。

　少年よ大志を抱け‐。本田の言葉には重みがあった。「大きな夢を持ってほしい。サッカーじゃなくてもいい。何でもいいんです。その夢に向かってスタートしてほしい。それが僕の思いです」。“夢追人”の言葉は、少年少女の胸にも響いたはずだ。

　子どものころから野心に燃えていた。「ひたすらみんなに『世界一』って言ってたのを覚えてます」。今も変わらない夢。それを実現するための努力を欠かさなかったことで、日本のエースに上り詰めた。

　文字にすることで、意識も強くなる。カヌー選手として東京五輪に出場した大叔父・大三郎さんのすすめで書き続けているサッカーノート。反省点などを書き記し、成長につなげてきた。それも全ては夢をかなえるため。だからこそ「ノートを取ることで、自分自身の夢を自覚してほしい」と力を込めた。

　この日のミニゲームでは、子ども相手でも手加減せず勝利した。「大人が相手だろうと負けると悔しいと思う。いつかは僕に勝つと思って練習に励んでほしい」。悔しさを植え付けたのは強くなってほしいから。本田流の“愛のムチ”だった。

　「使命感を持ってやった。僕にしかできないくらいの活動だという気持ちだった」。子どもたちの姿に自身の幼いころを重ねた金狼は、やさしい表情をしていた。