「Ｊ１、Ｇ大阪２‐６柏」（３０日、万博）

　ドイツ１部・ハノーバーに移籍するＤＦ酒井宏樹（２２）が、柏の一員としての国内ラストゲームに臨み、Ｇ大阪に６‐２で大勝した。仙台と広島の首位攻防戦は２‐２で引き分け、仙台が首位を守った。大宮は清水を１‐０で下し、横浜Ｍは名古屋と１‐１で引き分けた。ＦＣ東京は磐田に１‐３で敗れ、川崎は神戸に０‐１で敗れた。

　酒井は後半４７分、ラストプレーのカウンターで一気に攻め上がった。柏の選手として過ごす最後の夜。「ＭＦレアンドロを助けようとしてオーバーラップした。きょうは上がってなかったので」。最後までチームプレーに徹した。

　舞台は万博。Ｊ２時代の２０１０年、天皇杯・Ｇ大阪戦で、Ｊ１相手にスタメンデビューを飾った。あれから１年半。「きょうやってて、本当にこのスタジアムだったのかなと思うくらい」と感じたのは、飛躍的な成長を遂げたからだ。

　そこから、レギュラー奪取、Ａ代表デビュー、海外移籍と目まぐるしく駆け抜けた。「試合に出ることで自信が付いたし、今年はマークされる中でプレーの幅が広がった。この１、２年が大事で、昨年移籍しなくてよかった」。猛ダッシュで突き進んだ道のりを振り返って、その重要性を実感した。

　チームメートもド派手に送り出した。前半２０分に惜別弾を決めたＦＷ工藤は「ユースに一緒に入って、残っているのは僕と酒井だけ。いい形で送り出せてよかった」と胸をなで下ろした。チームは今季最多の６得点。酒井も気持ちよく飛び立つことができる。

　日付が変われば“ハノーバー・酒井”になる。今風の草食系男子は「ドイツで試合に出てから目標が生まれると思う。まずはそこまでの準備をしたい」と、最後まで控えめだった。“柏の至宝”の新たな挑戦が始まる。