「Ｊ１、ＦＣ東京０-１柏」（２７日、国立）

　柏がＤＦ増嶋竜也（２７）のゴールにより、ＦＣ東京を１‐０で下し、６戦負けなしで勝ち点を２４に伸ばした。ＦＣ東京は同２５。名古屋はＦＷ永井謙佑（２３）の２点で先行したものの、Ｇ大阪に追いつかれ２‐２で引き分けた。

　名将に新たな勲章が加わった。柏のネルシーニョ監督がＪ１通算１００勝を達成した。磐田などを指揮したオフト氏と並ぶ外国人最多タイ記録にも「勝つことで上位に迫れる試合だったので、勝てて満足している」と、個人の記録よりも７位浮上を喜んだ。

　“守備の人”が、勝利をもたらした。０‐０の前半４６分、増嶋がこぼれ球を押し込んで先制した。「（ＤＦは）失点しかテレビに出ないので、ゴールを決めると気持ちいい。忘れないでしょ、これで。オレの名前を…」。前半２９分には相手シュートを体でブロックするなど、本職でも文句なしのヒーローだった。

　古巣相手に燃えていた。ＦＣ東京時代は、レギュラーの壁を越えられず、リーグ戦は３年間で２５試合の出場にとどまった。「自分が決めて（ＦＣ東京に）勝ったことがなかったので、決められてよかった」。恩返しに充実した表情を見せた。

　スタートダッシュに失敗した昨季の王者だが、リーグ６試合で５勝１分けと勝ち点の量産態制に入った。今季４度目の無失点に「試合を重ねることで、去年と同じような戦い方ができてきている」と増嶋。太陽王に“日の入り”の気配はない。