「Ｊ１、川崎０‐１神戸」（３０日、等々力）

　好調の神戸は、敵地で川崎に１‐０で勝ち、リーグ３連勝、公式戦では連勝を４に伸ばした。０‐０の後半３２分にＦＷ都倉賢（２６）が、欧州選手権で決勝に進出したイタリア代表ＦＷマリオ・バロテリ（２１）＝マンチェスター・シティ＝を想起させる豪快なゴールを決めた。仙台と広島の首位攻防戦は２‐２の引き分けで仙台が首位を守った。Ｇ大阪は柏に２‐６で大敗を喫した。

　まるであの悪童が決めたスーパーゴールの再現だ。０‐０の後半３２分。ゴールまで約２５メートルの位置から、都倉は迷わずに左足を全力で振り抜いた。強烈な弾丸がネットに突き刺さると、ユニホームを脱ぎ肉体を誇示。欧州選手権・準決勝、ドイツ戦でのバロテリと同じように、イエローをもらうおまけ付き。ＦＷ大久保、小川を欠く中、“港のバロテリ”都倉が、チームを公式戦４連勝に導いた。

　西野監督と「練習ではよく決めている形」と口をそろえる、持ち味を生かしたゴール。それでも「これまでの僕なら、パスを選択していたかもしれない」と言う。だが「あれは過去にもとらわれず、未来への不安にも縛られずに打てた」という本能の一発。「今後の自分の指針になるゴールだと思う」と胸を張った。

　２７日のナビスコ杯で勝ったが、自身は無得点。試合後、クラブの公式フェイスブック上で糾弾され、実父の亮氏が「都倉にはもっと頑張って貰わねばなりませんね」と書き込む事態にも発展した。２４日には横浜在住の一般女性（２４）との入籍も発表した新婚ボーイ。古巣相手の会心弾は「母に捧げる」と語った本家のバロテリよろしく、家族に捧げた一発となった。

　“確信犯”にも見えたパフォーマンスに「僕の口からは…」と言いながら「ちゃんと腹筋割れてましたかね？（本人同様）背中に青いテープ貼っておけば良かったかも。映像で合成してもらいたい」とニヤリ。“港のバロテリ”は本家と違い、ちょい悪だった。