“持ってる男”がサッカー界のトップに就任した。日本サッカー協会は２４日、都内のＪＦＡハウスで理事会と評議員会を開き、副会長の大仁邦弥（だいに・くにや）氏（６７）を新会長に選任した。任期満了で定年を迎えた小倉純二会長（７３）は名誉会長に就任した。

　大仁新会長は１０年の南アフリカＷ杯と昨年のドイツ女子Ｗ杯で選手団団長を務め、それぞれ１６強入りと優勝を経験した強運の持ち主。１４年３月までの任期で、ブラジルＷ杯出場や女子サッカー人気定着などに力を注ぐ。就任会見では「自前のトレセン施設を東京に持ちたい。外国チームの練習や代表合宿ができる」と壮大な構想を掲げた。

　「リーダーシップはない」と謙そんする一方で、勝負師の一面も持つ。９７年１０月にはフランスＷ杯予選で強化委員長として加茂周日本代表監督（当時）を更迭し、岡田武史コーチを監督に昇格させた。

　元日本代表ＤＦで４４試合に出場。Ｊリーグの日程問題や女子Ｗ杯の誘致などの仕事にも現役時代を引き合いに出し、「辛抱には慣れている」と地道に取り組む意向を示した。