【大迫勇也】苦境乗り越え大舞台へ
2014年5月17日
今や欧州でもトップレベルのリーグとなったブンデスリーガだが、2部リーグのレベルは決して高くはない。攻撃チャンスで大迫がボールを要求してもパスが出せないのだ。
巧みな動き直しで好機を演出する大迫の武器は封印されていた。
「監督から動くなと言われている。僕が動いてもチームメートには見えていなかったり、パスが出せないこともあるから。でも諦めたくはないので、パスを要求し続けていきます。うまくいかないことも多く、どうすればいいのか、試行錯誤が続いているけど、こういう時間が将来生きてくると信じている」
4月19日の試合途中にトップ下へとポジションを変えたことで、解決の糸口が見えた。
「僕が少し下がって、ボールを受けることで、チャンスが作れるんじゃないかな」と笑顔を浮かべて語っている。
大迫の高い技術が攻撃にリズムを生み、その試合以降は負けなし。大迫も6得点目を決め、シーズンを終えた。
「W杯のためだけに、ドイツへ移籍したわけじゃない。自分がうまくなりたいから決断した」
数カ月のドイツ生活は、貴重な経験となった。苦境に立たされたとき、孤独にもがき、壁を乗り越えられた。
初めての世界大会での活躍は、来季の所属先決定に大きな影響を及ぼすだろう。
「自分の力を試したい」
揺るぎない信念をまとい大舞台へ挑む。=おわり(寺野典子)
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