オランダに受け継がれる哲学
2014年7月13日
オランダが3位決定戦でブラジルに3-0で快勝し、大会を終えた。準決勝でもドイツに1-7と大敗したブラジルは、1974年西ドイツ大会2次リーグ最終戦でオランダに0-2、同3位決定戦でポーランドに0-1で敗れて以来のW杯における連敗となった。
オランダの縦への鋭い攻めに、40年前にテレビを通じて日本で見た同カードを思い出した。生放送ではないので、結果は分かっている。しかも、前半と後半に分けて放送するという現在ではおよそ考えられない形式だった。それでも、オランダが誇るスーパースター・クライフを中心とするスピード豊かな攻め、ピンポイントで正確なパスを合わせる得点に息をのんだものだ。
今回も守備から攻撃への素早く正確な切り替えで、ブラジルを後手に回らせた。球を奪うやファンペルシーやロッベンといった前線の選手に収めて、攻撃のスイッチを入れる。そこから、オランダが見せるグラウンダーでのスムーズなパス交換、後方からも次々と選手が飛び出す厚いフォローの前に、ドイツ戦でもポジションからつり出された感のあったブラジル守備陣は、チェックにいく余裕さえ与えてもらえなかった。こうした組織プレーに関しては、オランダに一日の長がある。素早い攻守の切り替えとポジションにとらわれない全員攻撃・全員守備で70年代に革命をもたらしたサッカー哲学が、形を変えながら受け継がれているのを感じた。
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