激闘続きの理由のひとつは好GKの存在
2014年7月4日
決勝トーナメント1回戦の8試合はいずれも激戦で、いよいよW杯が佳境に入ってきたことを実感する。初めてW杯を取材した1982年スペイン大会以来「これほど8強入りを懸けた戦いが激しかったことはあったか」と思い、記録を調べてみたら、やはり例のない接戦続きだった。
16強による決勝トーナメント1回戦が導入されたのは、86年メキシコ大会から。今大会は同1回戦8試合のうち、5試合が延長戦にもつれ込んだ。これは90年大会の4試合を上回る最多だ。さらに、全て2点差以内で決着したのも初。前回の南アフリカ大会決勝トーナメント1回戦でブラジルはチリに3-0で快勝したが、今回は同じ相手にPK戦の末、薄氷を踏む思いの突破。これだけ各チームの力がきっ抗すると、86年大会の同1回戦でスペインがデンマークに5-1と大勝したような試合は、もう起こり得ないと思えてくる。
こうした接戦の原因の一つに、好GKの存在が挙げられないだろうか。事実、国際サッカー連盟(FIFA)が試合ごとに発表する最優秀選手「マン・オブ・ザ・マッチ」には、決勝トーナメント1回戦8試合中5試合でGKが選ばれている。ファン投票による選考のため異論はあるかもしれないが、参考にはなるだろう。PK戦勝利に貢献したジュリオセザール(ブラジル)、ナバス(コスタリカ)は分かるとしても、オチョア(メキシコ)、エムボリ(アルジェリア)、ハワード(米国)の3人はいずれも敗戦チームの守護神。彼らの奮闘が、接戦を生み出した。
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