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日本人俳優だけ観客撮影NGの現実

2014年3月19日

 台湾の人気俳優ピーター・ホー(左から3番目)らが登壇したステージに向けて写真撮影をする観客たち。ルールを守れば混乱ナシです=大阪・ABCホール

 台湾の人気俳優ピーター・ホー(左から3番目)らが登壇したステージに向けて写真撮影をする観客たち。ルールを守れば混乱ナシです=大阪・ABCホール

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 東京国際映画祭をはじめ、俳優らが登壇する完成披露試写会などでも観客の写真撮影を禁じる例がほとんどだ。その理由は一昔前なら、アイドルの顔とヌード写真などを組み合わせてネット上にばらまく「アイコラ」などの悪用を防止する為だろう。それも情報社会の主流がインターネットに移行している今、俳優の写真は拡散されているために抑止策にはならなくなった。今はさしずめ肖像権を守るためであり、会場の混乱を防止するためだろうか。

 しかし、はて?といつも思う。写真を撮りたいと思う多くの観客の心情は、有名人に会えたこの日の記念を記録したいとか、ちょっと友達に自慢したいという程度だろう。しかもプライベートを隠し撮りするのではなく、公の場に出るために完璧に着飾った姿を撮るのだから問題はないはずだ。現に、大阪アジアン映画祭でも、先の『KANO』をはじめ、台湾の人気俳優ピーター・ホーが登壇した映画『一分間だけ』(5月31日公開)の時も、皆がルールを守ったこともあって全く混乱はなかった。そもそも観客は映画なんていつだって観られるのに、この日のために労力と財力を費やして来ている。+αの特典を提供してあげてもいいんじゃない?と思うのは、筆者だけだろうか。

 少なくとも海外の映画祭で、筆者は何度もスターとファンの触れ合いから生まれた感動的な瞬間を何度も見ている。カンヌ国際映画祭は、世界最速で新作が上映される為に盗撮防止策として上映会場への撮影機材の持ち込みは厳しいが、イタリア・ベネチア国際映画祭は寛容だ。宮崎駿監督が『崖の上のポニョ』で参加した時は写真撮影はもちろん、監督自ら客席へ降りていってミニサイン会を開催してしまった。ファンはもちろん、囲まれた宮崎監督も本当に嬉しそうだった。

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